凝固割れ
凝固割れは高温割れの一種で、凝固の最終段階で起こる割れである。
割れのメカニズム
1,凝固中に炭素(C)、リン(P)、硫黄(S)などの不純物が最終凝固域の融液に排出され濃縮する。(これを凝固偏析という)
2,濃縮した不純物により融...
粒界腐食
粒界腐食はオーステナイト系ステンレス鋼が500~800℃の温度域に加熱された際に粒界近傍に発生する腐食である。
腐食の段階
1.オーステナイト系ステンレス鋼が500~800℃の温度域になり結晶粒界にクロム炭化物(Cr23C6)...
低温衝撃性について
低温衝撃性と関係するものは溶接金属内の酸素量です。
溶接金属に酸素が入ると耐衝撃値は低くなります。
酸素量増加→衝撃値低下
溶接金属中に酸素が入ることによって金属の純度が下がるためです。
フラックス(炭酸ガスアーク...
液化割れ
液化割れは高温割れの一種で多層溶接時に前層の粒界または熱影響部の結晶粒界に発生する割れである。
割れのメカニズム
1,多層溶接時に後続層の溶接熱で前層の粒界が溶融する。
2,合金元素の偏析または低融点金属間化合物(MnS)が生成さ...
異材継手の割れとその防止
ここでは実用的に行われることの多い異材継手「ステンレス鋼(SUS304)×炭素鋼」の割れの発生原因とその防止方法について説明したいと思います。
なぜ割れが発生するのか?
溶接金属の組織がマルテンサイト組織になるからです。マルテ...
ラメラテア
ラメラテアは母材部において、圧延面に平行にステップ状に発生する割れである。
板厚方向に引張り応力が発生した祭に介在物と地鉄の界面が剥離して開口し、割れる。
発生場所:
・熱影響部とそれに隣接する母材
発生しやすい継手:
・...
SN材
SN材とは建築構造用圧延鋼材のことであり、新耐震設計法を満足する性能と溶接性を兼ね備えた建築専用の鋼材である。
SN材にはA,B,C種の3種類があり、それぞれの特徴は以下の通り。
A種:
・接合は溶接ではなくボルト接合に限定さ...
マグ溶接ワイヤとシールドガスの関係
マグ溶接に使用されるシールドガスは炭酸ガス(Co2)と混合ガス(Ar+Co2又はAr+O2)の2種類がある。
シールドガスによる溶接性
・炭酸ガスの場合
グロビュール溶滴移行のみ。
・混合ガスの場合
低電流域ではグロビ...