溶接部の急冷がよくないと言われるがそれはなぜか?
簡単に言うと溶接部に焼きが入るからである。
焼が入るとはつまり、鉄が硬化することである。
まとめると溶接部は急冷されると焼きが入り硬く(脆く)なってしまう。
と、言うことで急冷は避けるべきとされている。
溶融している純鉄を冷却していくと、
→1,538℃で凝固(体心立方格子、デルタ(δ)鉄)
→1,394℃でオーステナイト(面心立方格子、ガンマ(γ)鉄)
→912℃でフェライト(体心立方格子、アルファ(α)鉄)
→727℃でパーライトとセメンタイト
以上の順に相変態していくが、
急冷するとオーステナイトからC(炭素)の排出が間に合わず結晶中にCが閉じ込められる。
すると結晶格子が歪み体心正方晶になる。
この歪んだ組織はマルテンサイトという組織であり、非常に硬く脆い。
つまり急冷により焼きが入り硬く(脆く)なるというのは鉄の組織がマルテンサイトになるということである。
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