低温割れ(遅れ割れ)

金属材料と溶接性ならびに溶接部の特性

低温割れは炭素鋼、高張力鋼、低合金鋼に発生しやすい。

溶接部の温度が300℃以下になってから発生する割れのことである。

鋼材強度が高くなるほど割れやすい。

低温割れの三要素

①金属硬化組織
②拡散性水素
③拘束応力

この三要素がそろった時に低温割れは発生する。

つまり、三要素の中のどれか一つを防止することができれば低温割れを防ぐことができる。

水素に対する割れ感受性は鋼材強度が高いほど高くなる。
この点が高強度鋼材が割れやすい原因である。

割れのメカニズム

拡散性水素は

  • 大気中の湿気
  • 被覆材中の水分
  • 開先部の油分

などがアークにより分解され発生し溶接金属中に侵入する。

侵入した拡散性水素が一点に集中し、臨界臨界水素濃度以上になると割れが発生する。

水素は溶接後「24~48時間」溶接金属中を移動し、一点に集中する。

対策

溶接材料

低水素系溶接棒を使用する。

ただし、適当な乾燥を行うこと。

開先形状

X開先、Y開先を採用する。(レ開先、K開先は拘束応力が大きい)

予熱

冷却速度がゆるやかになり硬化が低減される。

拡散性水素が温度が高いと活発になるので、予熱により拡散性水素の大気放出を促す。

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