粒界腐食

M - 材料・溶接性金属の腐食金属材料と溶接性ならびに溶接部の特性

粒界腐食はオーステナイト系ステンレス鋼が500~800℃の温度域に加熱された際に粒界近傍に発生する腐食である。

腐食の段階


1.オーステナイト系ステンレス鋼が500~800℃の温度域になり結晶粒界にクロム炭化物(Cr23C6)が析出される。
2.クロム炭化物が析出された粒界の近傍がCr濃度の低い領域(Cr欠乏層)になり、耐食性が低下し腐食が起こる。
この粒界腐食感受性がが高まることを粒界鋭敏化という。

※クロム炭化物は炭素とクロムの化合物のことで、炭素量が多ければ多いほどクロム炭化物も多く析出され、Crも多く消費される。よってCr欠乏層が発生する。

対策

・低炭素ステンレス鋼(SUS304L,SUS316L)を使用する。
・チタン(Ti)またはニオブ(Nb)を添加した安定化ステンレス鋼(SUS347,SUS321)を使用する。
・入熱量、層間温度の制限。
・溶接後の※固溶化熱処理を行う。

※固溶化熱処理
1000~1100℃の温度域に再加熱し、クロム炭化物を固溶させる固溶化処理

WES(溶接管理技術者)1級への道

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