マグ溶接に使用されるシールドガスは炭酸ガス(Co2)と混合ガス(Ar+Co2又はAr+O2)の2種類がある。
シールドガスによる溶接性
・炭酸ガスの場合
グロビュール溶滴移行のみ。
・混合ガスの場合
低電流域ではグロビュール溶滴移行、高電流域ではスプレー溶滴移行になる。
シールドガスによる機械的性質
・混合ガス用ソリッドワイヤに炭酸ガスを使用した場合
金属中のケイ素(Si)とマンガン(Mn)が減少し強度不足になる。
・炭酸ガス用ソリッドワイヤに混合ガスを使用した場合例1
金属中のケイ素(Si)とマンガン(Mn)が増加し強度過大になる。
Siは降伏点と引張強さをMnはじん性を高める成分であり、この2つの増減により金属の強弱が変わる。
これはワイヤ中のSiとMnが脱酸剤としての役割を担っていて、その添加量はシールドガスに合わせて決まっている。
炭酸ガスの方が酸化力が強く、溶接中により多くのSiとMnが脱酸に使われるため、炭酸ガス用ワイヤにはSiとMnの量は多くなっている。
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